隠れ茶問屋 利招園

三室戸寺に向かう途中の道を左に曲がったところに、茶問屋さん利招園さんを発見。というか、参道に看板が出てた。
ここはお茶の袋詰めをしているところって言ってはったんやけど、一見、普通の家。しかし、なんのなんの、そこのおっちゃんがお茶について事細かに教えてくらはった〜。すごい面白かった。買ってきたお茶は宇治白川の一つの茶畑からのみの、ノンブレンド。また飲んだらアップするけど、今回は学習内容があまりに多かったので、お茶のカテゴリで書き加えます。


真粉茶。
お茶葉は一番若い新芽から5番目までを摘み取るらしいんだけど、その5番目あたりの葉の根元に小さな芽がついていることがある。製茶の段階で、これが丸まったものを真粉茶というらしい。製茶の段階で葉が崩れてしまった粉とは別の小さなヤツ。これを風で選り分ける。もちろん、むっちゃ高いらしい!


土。
茶の味の決めての一つは、土壌の状態。今回買った、上明というお茶は粘土質の斜面の茶畑で生育したお茶。粘土質は水はけが良くないけど、斜面だとその点がカバーできるらしい。粘土質が不利かというと、そういうわけではなさそう。粘土質で育った茶葉は熟成期間が長くなるほど旨味が立ち上がってくるそうな。これに対して、同じ茶農家さんの茶畑でも砂地の茶畑があって、同じ品種の茶木で、同じ農家の人が作っても全然味が違うんだってー。水はけ=肥料の溜まり具合が異なる故らしい。両方とも買いたかった〜。


生き物。
茶木の活動は1〜2月からなので、茶葉はその当たりから味が萎えるらしい。もぎ取られてるのに。生き物なんだねー。それが粘土質だと1〜2月あたりから熟成具合が増すらしいのだ。
これはお米と一緒って言ってはった。あぁ、書く事いっぱいで大変。


旨味と温度。
私が「熱湯で煎れたら味が出なかったんですけど、低温じゃないと旨味が出ないんじゃないですか?」って言ったら、実は、高温でも旨味が出ていて、低温で出る旨味が、高温で出てしまう渋みに相殺されてしまうからなんだって。これが玄人さんになると、高温でもその相殺された旨味成分を利くことが出来ることができる。茶歌舞伎(利き茶)では熱湯でお茶を煎れるのだけど、すべて味が出てしまって複雑になって、その複数ある味の成分を如何に選り分け如何に判断するか、という究極の形だったわけだ。
で、お茶の質というのは、低温で出した味で如何を問うのではなく。三煎目あたりの、アミノ酸の旨味が出きった後の、高温でないと出てこない味で判断するんだってー。うーん、ますます、何をどうしたらお茶が美味しくなるか、わからなくなってきました。低温で入れるべしっていうのは無難なんだけど、お茶のウマさは低温で判断しないってことかー。


去年の茶葉は裏が表に縒られる
新芽は裏が柔らかいので裏が縮み、てかてか表が表に。去年の茶葉は表が柔らかいので表が縮み、かさかさ裏が表に。それを選り分ける。

どっぷり話し込んで、1時間ぐらいはそこにおりました。今度は、抹茶について聞きに行こうっと。